歩くの大好きサウジアラビアからの女性

サウジアラビアからの20代女医さん。
弟さん(15歳)を連れて、都内の医学学会へきました。
学会後、２日だけ時間があり、ガイドの私を雇い、都内ウォーキングツアーを希望されました。

都内ウォーキングの多くは、9:00～17:00の１日の8時間。
それがこのツアーは、彼女のリクエストで8:00～19:00の２日間。
1日11時間？！あり得ない！！

初めて会った彼女は、TシャツにGパン極めてラフな格好。言われなければサウジアラビア人とは誰も思いません。
聞いたら、普段はこんな格好をしているらしいです。
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とにかく好奇心旺盛の彼女。
希望はたった一つ。「東京を全部見せてほしい」と。
１日目は西、2日目は東と分けることにして、西からスタート。
都庁、明治神宮、原宿、渋谷、庭園、東京タワー、銀座。神楽坂にも行きました。
歩く歩く、めちゃくちゃ歩きました。万歩計を見たら30000歩。

もうヘトヘト。『タクシーに乗りたい。私がお金出すから・・・』私の心が悲鳴をあげています。
弟も、「ちょっと休憩しようよ～」と。
そんな私たちをお構いなく、彼女は軽快に歩きます。もちろん休憩もなく。

一日目終了の夜、私は、疲れ切って、夕飯も食べれず、足の裏が痛くて痛くて寝れない(涙)
2日目のことを考えると恐怖すりゃ覚えてました。

そして、2日目。足の痛みはとれず、疲れを引きずったまま。

待ち合わせ場所に現れたのは彼女一人。
弟は、足が痛くてリタイア。
そりゃそうよね。私も仕事じゃなかったら、もう歩けません。
しかし今日も彼女は元気いっぱいです。

築地、秋葉原、上野、浅草、そしてお台場へ。
お台場はかなり気に入って「ここも東京なの？」と何度も聞かれました。

日暮れのお台場は、綺麗で、風が気持ちよく、開放的でした。
彼女が突然言い出しました。
「東京はいいね。自由に歩ける。一人でも歩ける。自由になれる。」
「私の国ではね、女性は一人で歩けないの。一人じゃなくても、外は歩けない。こんなに外を歩いたの生まれて初めて。本当に楽しい。」
「送迎は、運転手がしてくれる。だから不自由じゃないけど、自由でもない。」

はっ、と思いました。
外を何も気にせず歩けるのって、普通だけど、普通じゃないのかも・・・って。恵まれているのかも・・・って。
このウォーキングは、彼女にとって大変な意味があったのかも・・・って。

そして、このあとは、彼女も私も、元気に皇居を歩きました。

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