通訳ガイド日記:十人十色 ~外国人みんな違って面白い~

通訳ガイドをしています。沢山の外国人から受けた驚きを記録していきます。たまに、自分の旅やガイドのことも書いていきたいと思います。

お土産文化のハワイアン

ハワイアンは、ガイドから人気の人種。

ガイド100人に聞いたら、100人がハワイアン大好き!

と言うでしょう。

 

彼らはアメリカ人とも全然違う。

おおらかで。小さいことは気にしない。

ここはアメリカ人と同じかな?

 

日本食が大好きで。

日本文化に精通している。

日本人の移民が多い証拠。

 

ダイソー大好き。

ドン・キホーテ大好き。

寿司大好き。

 

日本文化大好きなアメリカ人でも、日本の食べ物だけは口に合わないって人が多い中、なんでも食べてくれる。

本当にガイドしやすいです。

 

そのハワイアン。

必ずチョコをくれます。

ツアーの最後に「はい、お土産」って。

それまでかさ張るチョコをずっと持ち歩いています。

 

チップをくれるアメリカ人がまだまだ多い中

チョコという手土産。

これも日本の文化なんだな、とほっこり感じます。

 

しかも、ドライバーさんの分も必ず用意してくれています。

この気配りも日本人ぽい。

あ、でも、日本人は海外旅行へ行ったときに現地のガイドさんにお土産あげませんかね?

あげてみましょう!きっと喜びますよ。

日本の美容院で髪を切るオーストラリアンボーイ

日本にきた、母と息子。

母からの息子さんへの誕生日プレゼント。

確か17歳だったような。

 

外国人よく親子で旅行します。

母と息子。パパと娘。

父と息子。

案外少ないのが母と娘。

日本と反対ですね。

 

息子さん、まず行きたかったところ

美容院

 

「美容院へ行きたい」とのリクエスト。

焦りましたよ~

美容にうとい私。

自分が行っている行きつけの美容院があれば格好いいものの

完全に美容院難民。

 

こんなとき便利なネット。

色々調べて。

今ならレビューもたくさんあるけれど、10年くらい前の出来事。

レビューはなく、

英語、美容院、原宿

で探しました。

美容院の激戦区、原宿なら、手ごろな美容院あると思って。

 

で、見つけた青山のお店。

初めて訪問。

片言の英語でしたが、美容師さん、オーストラリア人をウェルカム!

「大丈夫??私、ついてよっか??」

「大丈夫だよ」と男の子。

お母さんは横で見ていたい、と。

 

こういうとき、ガイドの立ち位置困っちゃう。

一緒にいるべきか、二人にして冒険させるべきか??

この時は後者を選びました。

 

そして1時間後、ほとんどカットしていない男の子。

揃えただけ?

あんなに美容院行きたがってたのに?

もっと切ればよかったのに~!

異国で冒険はできない???

 

でも、シャンプー、マッサージにご満悦の様子。

お決まりの

「かゆいところありませんか??」

もあったみたい。

 

男の子は、すでに漫画で日本の美容院を経験済み。

オーストラリアとは違う美容院に大満足だったよう。

 

お母さんは、もうちょっと切ってもらいたかったみたい。

6000円。高いし。

日本のお母さんと同じですね。

ちょっと冷たいドイツ人たち

ドイツ人が全員そうではなく、たまたまの出来事です。

普段は、ドイツ人をガイドすることはありません。

ドイツ語ガイドさんがいますから。

 

でも、たまたま英語が分かる(はず)のドイツ人グループをガイドしました。

できるはず、と言われましたが、半分はドイツ語オンリーでした💦

このグループ、みなさん、お友達ではありません。

各個人が申し込んで、たまたま同じ日程で、たまたま同じコースだったので、

一緒に日本をまわるグループ。

日本人もヨーロッパーへ行くとき利用する旅行代理店のツアーと同じ感じです。

 

ツアー3日目。そろそろみんな名前も覚え、なんとなく仲良くなってきたようです。

その日、ランチ後に、

一人のおじいさんが癲癇の発作で倒れてしまいました。

 

レストランで倒れたのが不幸中の幸い。

自由時間だったら、倒れたのも分からなかったかも。

 

すぐに救急車を呼びました。

救急車に出来たら同郷の人を付き添いで乗せたい!

「どなたか付き添ってくれませんか?」

しーん。

 

本当にしーん、なんです。

 

私は通訳として付き添います。

日本の救急車は日本人の付き添いが絶対にいるんです。

お金のとりっぱくれも心配だから??

 

おじいさん、一人旅で日本にきていました。

だから家族はこのグループにはいません。

前からの知り合いもいません。

でも、一人くらい

「付き添うよ。」って言ってくれたっていいじゃない?!

みんな冷たい・・・

 

再度チャレンジ!

「おじいさん、英語がよく分からないみたいだから、

どなたか付き添いお願いできませんか?」

しーん。

 

みんな、午後からも観光を続けたい模様。

 

仕方ない。強制はできません。

でも、なんか冷たいな~

箱根に行きたくない韓国人

外国人向け富士山ツアーは、大体富士箱根ツアーです。

通訳ガイドは、フジハコと呼ぶくらいおなじみのツアー。

 

なぜ富士山と箱根??

富士山だけでいいじゃん。

と私は思っています。

そして、たぶんお客様も。

だってみんな箱根なんて聞いたこともないんだもの。

 

根知らないけど、富士山ツアーに申し込むと大体箱根がくっついてくる。

この日は、富士箱根ツアーに申し込んだ韓国人。

出発前から

「箱根に行きたくない。」

「なんで箱根に行かなきゃならないんだ。」

駄々をこねています💦

この韓国人だけなら、箱根行かなくてもいいんですが、他にもお客様がいる。

箱根に行かざるをえません。

 

 

「箱根に行きたくないんだよ。」

箱根にいかなくていいから、お金を返せ、というわけでもないよう。

「残念ながら??

このツアーは富士箱根ツアーです。箱根は行きます。」

「富士山から自分で帰りたい。」

どうぞどうぞご自由に!!

なんで、そんなに箱根に行きたくない??

まぁ、皆さん色々です。

 

こんなくだらないやり取りしている間に、あっという間に出発時間。

無理矢理連れて行きました。

 

富士山いってご機嫌に。

さてさて、富士山の後は箱根。

「次は箱根だけどどうする?」

なんてもちろん聞きません。

勝手に連れて行きました

 

そして富士箱根を終え無事東京到着。

お別れのハグ。

「楽しかったよ。ありがとう」と韓国人。

余談ですが、韓国人は、ありがとう!沢山言ってくれます。

 

何も言われなかった。箱根のこと。

こちらからもあえて聞かなかったし。

もしかしたらバスの中でよく寝ていたから、箱根に行ったこと気付いてなかったのかも?!

色白なシンガポール人女性

春の日本。紫外線は強いけど、気持ちいい新緑の季節。

そう数年前の今の時期。シンガポール女性をご案内。

 

シンガポール女性、つばの大きい真っ黒な帽子に、真っ黒なマスク

コロナがはやり、今でこそ黒いマスク日本人もするけれど。

数年前、黒いマスクは中国人しかいなかった。

もうどこから見ても中国人。

実際は、シンガポール人ですが。

もちろん、真っ黒な日傘持参です。

 

「絶対に日焼けしたくないの。」

あ~分かります。その格好で。

一目で分かりました!

 

それならデパート、博物館、美術館、どうでしょう?

 

「でもやっぱり気持ちいいから、東京を歩きたい!」

え~焼けちゃうよ~~~

 

彼女の為、1時間に1回、日焼け止め塗りなおしタイムです。

トイレに10分こもります。

旦那様、優しいのか、慣れっこなのか、大人しく待ってました。

シンガポール人の旦那様って優しいのよね

私もついでに日焼け止め塗りなおしタイムさせてもらいました。

普段、塗りなおす暇なんてないのだけど・・・

 

本当に色白です。

南国から来たとは思えません。

最近思うのは、白人よりアジア人の方が白い。

白の色が違うけれど。

 

シンガポール在住で、こんなに白い肌キープするなんてすごいなぁ。

一緒に日焼け止め塗りなおしタイムにほれぼれ。

私もちゃんとケアしたらこうなるのかな?

なんて思ってしまいました。

ガイドには無理だけど。ガイドは万年日焼け。

いや、ガイドじゃなくても、ずぼらな私には無理だけど。

頼もしいアメリカ人の大工さん

ツアーの困ることの一つ。

バスの故障。

もちろん事故の方が大変だけど、故障もかなり大変です💦

 

日光インターをおり、バスが右折した時

ガガガーーーー

ものすごい音。

 

ミラーが、道に飛び出している木にぶつかってしまいました。

こする程度だったのにものすごい音。

 

ミラーは、ぶらんぶらん。

バスを停車し、ドライバーさんが応急措置をはじめました。

 

ビニールテープでぶらんぶらんしたミラーをかりどめ。

でも、どうにもこうにもうまくいかず。

まだぶらんぶらん。

これじゃ走れません。

あ~でもない。こ~でもない。

ドライバーさんと役立たずの私でテープをぐるぐるに。

 

そのとき、1人のアメリカ人のおじいちゃん。

ミラーの横にすたすたきて、

俺にやらせろ!と。

ドライバーさんが、GOサインを出す前に、私たちが悪戦苦闘してぐるぐるまいたビニールテープをはがしてしまいました。

ほんと、あっという間の出来事。

 

その後は、

こうやって巻くんだよ。

見事な手さばきであっという間に完成。

すごーい!!とバスから拍手が。

実際は、すごーい!!ではなく、ブラボーとかグレート!とかね。

 

おじいちゃんは、すでにリタイアした大工さんでした。

おじいちゃん、ありがとう。

おじいちゃんのお陰で、15分位の時間のロスで済みました。

通訳ガイドの仕事がなくなりました②

今日は、コロナ中の通訳ガイドの話。

 

基本、通訳ガイドは、フリーランスです。

よく専属ガイドってインターネットに書いてあるけど、そのシステムは5年くらい前に終了したようです。

私が知っている最後の専属ガイドさんは、5年くらい前に定年しました。

 

通訳ガイドは季節労働者みたいなもので、春、秋は仕事が沢山あり、夏はまあまあ。

夏は、アメリカ人がきてくれるからね。

冬は冬眠時期といわれ、ほとんど仕事がありません。

今年は、その冬に、コロナがはじまり、冬眠生活から失業状態に陥ったガイドがほとんど。

 

私は、たまたま3月にもキャンセルにならない仕事があり、3月は数日仕事しました。

数万円だけ稼ぎました。

4月はゼロ。5月もゼロ。6月もゼロ。

だって、外国人がこないんだもの。

 

そして、インバウンドはどんな状況か聞こうにも、旅行代理店は休業中。

自分たちの給料も出ない状況なのに、ガイドの休業手当なんて出るはずもありません。

収入ゼロはまだまだ続きます。

この仕事を離れるガイドが増えるのは夏ごろかと思ってます。

離れざるをえない状態。

 

お金がなくなる恐怖と、先が見えない不安。

毎日毎日することはなく。

社会の役に全くたっていない気にもなったり。

 

ガイドってどんな仕事?

と聞かれたら、やりがいがあります。

と、前はこたえていました。

今は??

不安定すぎます。

とこたえちゃうかも。